腫瘍と過形成とほくろ

とある本を読んでいたら、腫瘍と過形成の違いは刺激がなくなると消えるかどうかと書いてありました。どちらも増殖性病変ですが、刺激がなくなっても増えたままなのが腫瘍、刺激がなくなると元に戻るのが過形成だそうです。厳密には他の条件もあるかと思いますが、ほくろに関してはこの理解が分かりやすいと思いました。

ほくろは医学的には色素性母斑(pigmented nevus)といい、Wikipediaの「ほくろ」によると過誤腫(腫瘍と奇形の中間的存在)と考えられているそうです。さらにWHO分類では良性腫瘍として扱われているそうです。

ほくろは良性腫瘍と聞いて驚いたこともありますが、上記の定義を踏まえるとなんとなくしっくりきます。ほくろが紫外線や物理刺激で増えるとして、刺激がなくなったら消えるはずです。それなのに紫外線対策をして優しく扱っても全然消えないほくろ――良性腫瘍として扱いたくもなるものです。正確な理由は知りませんけれども。

ICD-10およびMeSHのページは以下の通りです。

  1. I78.1 Naevus, non-neoplastic - ICD-10(色素性母斑以外)
  2. D22 Melanocytic naevi - ICD-10(色素性母斑)
  3. Nevus - MeSH Descriptor Data 2019(母斑)